「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
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10月31日(木)放課後、78期1年生が「市立高校伝統文化体験 能楽鑑賞会」に参加のため、金剛能楽堂へ向かいました。
この鑑賞会は、京都市教育委員会の主催、一般社団法人 京一商西京同窓会の協賛で毎年行われているもので、西京高校以外の京都市立高校の生徒もご招待いただいています。堀音では、授業の中で行っている邦楽講座や筝曲講座と併せて、邦楽を学べる好機ととらえ、毎年1年生全員が参加させていただいています。本年度は京都市のALTの先生方もご招待いただきました。
この鑑賞会に先立ちこの日の昼休み、昨年に引き続き、校長が講師を務める「探究的 事前学習会」を行いました。能舞台について(特に京都では、能楽堂でのクラシックのコンサートの機会もあり、「ステージ」としての舞台の観察や響きの体感なども、経験値にししようというお話も)や、「能」と「狂言」の違いなどを、資料を使って説明したあと、狂言特有の定型のセリフや所作を実体験する時間を持ちました。日本の芸能の習得方法どおり、「口うつし」(師匠が言う言葉をそのまま真似る)のスタイルでの体験。生徒の「音」に対する勘の良さは、さすがでした。
17:00、御池通に停車した、京都市教育委員会から支援をいただいた貸切りバスに乗って、金剛能楽堂へ向かいました。到着後、見所(能楽堂では「客席」を「見所(けんしょ)」と言う)の座席に着席しました。
17:30、開会。初めに、京都市教育長 稲田 新吾 様と京一商西京同窓会理事長 三嶋 吉晴 様のご挨拶をいただきました。
続いて、金剛流能楽師の方による、能楽体験会へのプログラムが進んでいきます。この体験会は各校からの代表生徒が舞台にあがり、能楽師の方のご指導で、所作を実演してみるというものです。能舞台は足袋を履くというのが重要なきまりなので、代表生徒たちはその代用として白いソックスを履くようにという指示が事前にありました。
代表生徒たちは、扇を手に、鏡の間から揚幕を通って本舞台へと、能楽師の方のご指導のもと、すり足で歩きました。本校の代表生徒も、神妙な面持ちで姿勢よく進みました。能楽師のよく響く謡の声に合わせて、能らしい所作を決めたのち、もと来た道を早足で退場、となりました。
いよいよ鑑賞。まずは 狂言「蝸牛(かぎゅう)」。蝸牛とはかたつむりのこと。茂山家の方々が演じる、主人と太郎冠者、すっぱ(愛すべき詐欺師)である山伏のかけあいに、会場は笑いに包まれました。予想外の展開と、そのままの結末に、「シュール!」「よくこんな話考えたね」という生徒たちの声が聞かれました。
少しの休憩をしていると、鏡の間から鼓や太鼓、笛の音が聞こえてきます。これは能に多いスタイルで、始まりの合図の役目も果たしています。能の番組は「熊坂(くまさか)」。揚幕の方ばかりを見ていると、地謡の方は切戸口から入場され、びっくりしていた生徒も。囃子方の方々がスタンバイする動きの美しさに見惚れていると、役者の方が舞台へ。一気にその世界に引込まれていきました。
生徒たちがこのあと提出する感想文に、どんな風に愉しんだか、どんな気づきを得たか、を書いてくれるのが楽しみです。
京一商西京同窓会の皆さまには、生徒の学びのために市立高校全体に、いくつものご支援をいただいております。厚く御礼申し上げます。今年度の能楽鑑賞会も、本当にありがとうございました