「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
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無事に帰国した引率団から、最後のレポートが届きました。
***********11月17日(日)「ウィーンから日本へ」***********
天気: 晴れ
気温: ウィーン 最低0度 最高8度
◆ウィーン市内研修
朝、窓を見ると霧で外が真っ白に。バスに乗っても少し前が見づらいほどで、日本ではなかなか見られない光景でした。ガイドさんから冬のウィーンをはじめヨーロッパではよくある景色だとの説明に、一同聞き入っていました。
そして、霧が少しかかって幻想的なベルヴェデーレ宮殿へ。バロック建築を代表する建物で、中には美術品が数多く展示されていました。
クリムトの代表作「接吻」「ユディット」をはじめ、さまざまな画家の作品を鑑賞しました。ガイドさんから作品の特徴や背景などの説明を聞きながら見ると、作品を深く捉えることができ、とても勉強になりました。そのあとは、庭園に出て散策したり、昨日班別研修を行ったウィーン中心部が遠くに見えているのを写真におさめたりしていました。
次は、ウィーン中央墓地です。
ウィーン中央墓地には自分たちが普段演奏している作曲家たちが埋葬されている場所です。
ウィーンで活躍したベートーヴェン、シューベルト、ブラームスなどのお墓を見たり、モーツァルトの記念碑の前で、クラス全員で「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を合唱したりしました。神聖な雰囲気の中での歌声は、とても思いのこもったものとなりました。
その後、ウィーン国際空港へ。
名残を惜しむ生徒がたくさんいて、またぜひ来たいとか住んでみたいという声もたくさん聞かれました。
写真や映像で見るのとは違い、実際に自分の眼で見て、その場所の空気を肌で感じることで、ものの捉え方がこれまでとはがらっと変わったのではないでしょうか。
日本に戻っても、この1週間で見たこと、感じたことを大切にして学びを進めていってほしいと思います。
◆ヨーロッパを離れ、一路、日本へ。
まだ帰りたくないと思いながらも、飛行機は乗り継ぎのドーハへ。すっかり機内での過ごし方にも慣れてきて、行きとは違ってリラックスした雰囲気でした。
経由地を経て、関西国際空港へ。
空港の案内の文字や放送が日本語で、少し安心したように見えました。
出国手続き、預け荷物のピックアップ後、旅行委員さんによる解団式をして、それぞれ帰宅の途につきました。
この研修旅行中、私たちのためにいろいろご尽力くださった、ヤナーチェク音楽院の先生方・関係者のみなさん、添乗員さんや看護師さん、各地でお世話になったガイドさんや通訳の方々、ドライバーさんなど、たくさんの方々に支えられたこと、そして、全員健康で過ごせたことに心から感謝したいと思います。
そして、77期生たちのご家族の皆さま、さまざまなご協力をありがとうございました。
研修旅行の成果が、77期のみんなの今後の学校生活やそれぞれの音楽に、素晴らしい果実をもたらしてくれることを信じています。
(生徒の記録より)
・ベルヴェデーレ宮殿では、ガイドさんから「絵の深さ」を学ぶことができました。こだわりを表現し、一回出来上がっても変化させていくのは音楽と同じだと教えていただき、とても素敵だと思いました。ウィーン中央墓地では、ベートーヴェン、シュトラウス、ブラームスなど多くの作曲家たちの墓を巡り、五感を使って感じ取ることができました。今後の演奏にも活かせることを、40人それぞれが自分なりに考え、心に刻んだ1日でした。(H.K.)
・ベルヴェデーレ宮殿ではモネやナポレオンの有名な絵など、いつも教科書の中でしか見ることのできない絵がたくさんあって、みんなでワクワクしながら鑑賞しました。中央墓地では、有名な作曲家から建築家まで、ウィーンで活躍した様々な分野の人たちのお墓がたくさんあり、ベートーヴェンやブラームス、シュトラウスにブラームス、スッペなどが目の前のお墓に眠っていると思うと感慨深く、圧倒されました。(N.M.)
・ブルノのホテルのリンゴよりウィーンのホテルのリンゴの方がおいしかった。ベルヴェデーレ宮殿から、カールス・ヴォティーフ・シュテファンの各教会などウィーン市内が見渡せて良い眺めだった。展示されている絵画を見て、時代ごとに絵画の役割が変化していることを実感した。音楽も絵画と同様に「内と外からの力」によって形を変えてきたのだろう。中央墓地で僕は、今回の旅のなかで大音楽家たちを最も身近に感じた。死の象徴ともいえる墓たちは、彼らが生きていた証人として力強く語りかけてきた。かの人々はウィーンの市内を歩き、あるいはリンゴを食べ、そして芸術を成して墓を残したのであろう。(Y.K.)
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