「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
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12月10日(火)
今年度、4回シリーズで9月から毎月開催してきたディクション講座も、本日、最終回を迎えました。
講師には、大阪音楽大学より、イタリア語ディクションをジュリオ・デ・パオリス先生、声楽については、9月に公開開催した第1回講座に続き、松田昌恵先生をお迎えし、ご指導いただきました。伴奏は、本校講師の北村愛子先生にご協力いただきました。
今回は2年生のソプラノ2名が受講し、声楽専攻の生徒たちが聴講しました。一人ずつ、北村先生の伴奏でまず歌唱したあと、歌詞を声に出して読み、ジュリオ先生が手や顔の表情をつけながら、正しい発音やフレーズのニュアンスを伝えてくださいます。それをしっかりと見て聴いて、自分の発音を改善していきます。そして、メロディに乗せて歌い、松田先生から、発声や音程、フレーズの表現などのアドバイスが。その途中途中で、松田先生からジュリオ先生に質問がとび、単に辞書を引くだけではわからない言葉のニュアンスや言葉の持つ語気などについてご説明いただき、繊細で深いレベルで言葉の知識を得ることができました。そのあとにもう一度歌ってみると、言葉が明瞭になり声もよく伸びて、いい歌唱になっていきました。
続いて、今回はみんなで、F.Gaspariniの「Caro laccio」(いとしい絆よ)を読んで歌いました。ここでも、松田先生から「“laccio”も“nodo”も意味は『絆』だけれど、どんな違いがあるのかしら?」など、ジュリオ先生から細かなニュアンスの違いについてのお話を聞き出してくださり、とても勉強になりました。
質疑応答のあと、松田先生が「たとえば、“bella”は、イタリア人なら、頬が下がっていては言えない言葉。そうですよね、ジュリオ先生?」とおっしゃると、ジュリオ先生はすかさず、きれいな花々を目の前にしたかのように前に手を差し伸べ、晴れやかな笑顔で「bella!」(美しい!)と語りかけられます。「こういった外国語の言葉にこもる実感のイメージを持って。言葉のニュアンスの引き出しをたくさん持ってほしい。」と松田先生。ジュリオ先生も「きれいな発音で歌うだけではなく、どれだけ‟自分“を出せるかが大切。」とメッセージをくださいました。
4回にわたり、ディクションのジュリオ・デ・パオリス先生と、声楽の松田昌恵先生、田中由也先生、石橋栄実先生に、たいへんお世話になりました。大阪音楽大学の皆様に、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。