「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
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1月21日(火)5限
1年生を対象に、本校の学校薬剤師でいらっしゃる田中秀明先生を講師にお招きして「薬物乱用防止教室」を実施しました。
まず、外国のとある街角で、ある人が別の人に道を尋ねている様子を撮影したビデオを見せ、「なにかに気づきませんでしたか?」と質問されました。ちんぷんかんぷんな生徒たちも、同様の様子をいくつか繰り返して見るうちに、道を尋ねている人が途中、障害物に遮られたあと、別人に入れ替わっていることに気づきます!ビデオの中の尋ねられている人は、それに気づいていない様子……。
このことから田中先生は「知らないことはわからないし、気にしていないことにはなかなか気づきにくい。私たちは、知っているからこそ気づくことができます。今日は、薬物乱用防止について、しっかり知ってください。」と生徒たちを引き付けてくださいました。
前半は、薬の飲み方・取り扱い方について、具体的な誤った例を挙げ、どこが間違っているかを探すクイズから「薬の7つの約束」を確認。また、水と緑茶のペットボトルにそれぞれ鉄剤のシロップを入れると緑茶の方だけが真っ黒に変色し、沈殿物ができる様子を見せて、「水かぬるま湯で飲む」という用法を守ることの重要性を説明してくださいました。
後半は、違法薬物の乱用、特に大麻に注目して解説くださいました。一昨年12月に大麻取締法の改正で医療用大麻解禁のニュースが報じられましたが、それは医療用のものであって大麻の合法化ではなく、むしろ、より厳しく取り締まるための改正。「合法化=安全」ではないことを力説され、「このようなニュースに便乗したデマやウソに騙されないように!」と強調されました。
さらに、ヘロインの50倍も強い精神安定剤「フェンタニル」が蔓延し、全身が脱力して朦朧とさまよう中毒患者でいっぱいの“ゾンビタウン”と化した、ペンシルベニア州フィラデルフィアの様子を、ニュース映像で見せてくださいました。ぞっとするほど衝撃的でした。
そのあと、薬物乱用防止の啓発CMを視聴。「高校生の登場人物が“痩せる薬”だと友達から見せられたのは、飴のような包み紙にくるまれたもの――パッケージもなければ、用法・用量などの説明書もない。こんなものは薬ではありませんね。」と田中先生。
最後に、田中先生は孫子の『兵法』から「彼を知り己を知れば、百戦殆(あや)うからず。……」を紹介し、「皆さんはすでに自分をしっかりと見つめ、音楽という方向性を見定めている。相手がどういう行動をとるのかを知っていれば、戦うことになったとしても負けない(=薬物への悪い誘いを受けても正しい判断ができ、断ることができる)。」といったメッセージで締めくくられました。
質疑応答のあと、先生に大きな拍手でお礼を伝えし、各自、レポート記入に熱心に取り組み、終了しました。田中先生、とても大切なお話をありがとうございました!