「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
〒604-0052 京都市中京区油小路通御池押油小路町238-1[MAPを見る]
TEL. 075-253-1581 FAX. 075-213-3631
8月19日(火)、今年度の特設講座のお二人目の講師として、東京藝術大学教授の山下一史先生を本校にお迎えしました。今回は、1年生と3年生の指揮専攻生2名がレッスンを受講しました。
当日は、生徒の指揮に合わせてピアノによるオーケストラ伴奏者にもご参加いただき、ベートーヴェン作曲の「交響曲第2番」第1楽章と第2楽章を題材に、指揮の実技指導が行われました。
生徒の一振り一振りに対して、先生は大変細やかで丁寧なアドバイスをくださいました。アドバイス全般を通じて、「どんな音を出してほしいかを棒でしっかり伝える」「楽器をイメージする」といった、指揮を通して音楽を的確に表現するための姿勢を繰り返し強調されました。
そして、音楽的な技術にとどまらず、フレーズの方向性や作品全体の構造をどうとらえるかといった本質的な部分にまで及びました。特に「全部歌ってみる、全部の音を身体に入れる」「頭・心・手の3つがひとつに繋がるように」といった言葉は、生徒たちにとって大きな指針となりました。
指揮者は自ら音を出すことができないという宿命を背負っています。だからこそ、自分の内に音楽を深く刻み込み、その全てを身体を通して伝えていく責任があることを学びとってくれたと思います。
今回はオーケストラではなく、2台のピアノを相手にした指揮でした。その中で、「とにかく相手に伝える」ことの重要さを繰り返し教えていただきました。より明確な指揮と音楽的な意思表示が必要であり、ただ音を聴くのではなく「音楽家の耳」として聴き、すべての音をとらえる力が求められるということ実感できたのではないかと思います。
さらに「指揮台に立つだけで整然とした音楽を作り出せるような存在になること」という先生の言葉も印象的でした。わずかな身振りや姿勢からでも音楽が変化する様子を目の当たりにし、指揮者という存在の奥深さを強く感じました。
受講した生徒は、「自分の中の音楽をしっかりと見つめる必要性を強く感じた」「手を取って指導いただいた時の軽さが、今までと全く違って印象に残った」といった感想とともに、「とてもいい時間だった」と納得感とこれからの先の成長を思い描くような表情で語っていました。
また、レッスンを見守った教員に向けては、次の世代を教育することの大切さについても熱心にお話しくださり、教育者としての姿勢を改めて考える機会ともなりました。
今回の講座は、指揮を学ぶ生徒たちにとって大きな刺激と学びとなり、今後の成長につながる貴重な時間となったと思います。