「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
〒604-0052 京都市中京区油小路通御池押油小路町238-1[MAPを見る]
TEL. 075-253-1581 FAX. 075-213-3631
9月13日(土)、イタリア語ディクション講座を実施しました。ディクションとは、音楽において聴衆に言葉を届けるための「発音法」「発声法」を意味し、声楽にとって欠かすことのできない要素です。本講座は年間4回実施予定で、第1回目となる今回は、中学生や音楽関係者にも公開し、多くの方にご参加いただきました。
当日は、大阪音楽大学より ジュリオ・バオリス先生(イタリア語) と 石橋栄美教授(声楽) をお迎えし、3年生2名の生徒がレッスンを受講しました。また、1~3年生の声楽専攻生をはじめ、中学生やその保護者、地域の音楽関係者の方々にもご参加いただきました。
レッスンは、まず歌詞を音をつけずにゆっくり朗読することから始まりました。その後、実際に歌いながら「言葉の響きをどう伝えるか」に重点を置いて指導が行われました。「強い言葉を平板に歌うと弱く聞こえる。ドラマを感じさせる表現を」「母音や二重子音をどう処理するかでニュアンスが大きく変わる」「ブレスの仕方や顎の使い方で声の響きが変わる」「やりたいことを大げさに表現してみる」といったアドバイスを次々とされていました。
特に多くされていたのが「ためる」ことでした。「m」やアクセント、二重子音の前をいかに我慢するか、難しいと思うからこそすぐ歌いたくなるのをちゃんと待って発音するといった具体的なアドバイスを繰り返しされていました。
指導を受けた生徒たちは懸命に吸収し自分の表現を変えることができていたと思います。
後半は「みんなで読んでみよう」のコーナーが設けられ、参加した生徒・中学生全員で歌詞を声に出し、参加した小中学生も発音に挑戦していました。その後その後全員で歌い、講座全体が一体感に包まれました。
最後に「イタリア人が10人いれば10通りの表現がある。基本を押さえつつも、それぞれの感性を大切にしながら気持ちよく歌ってほしい」というメッセージを伝えられて講座は終了しました。
今回のディクション講座は、言葉の持つ力や表現の奥深さを改めて感じる時間となりました。参加した中学生や音楽関係者の方々にとっても、発音や発声の重要性を体感する貴重な機会になったことと思います。