「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
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9月17日(水)、この日はもう一つ特設講座が実施されました。講師として、東京藝術大学准教授の萩原麻未先生を本校にお迎えしました。今回は、3年生ピアノ専攻の生徒3名がレッスンを受講しました。
レッスンでは、音の響きやフレーズの作り方を中心にご指導いただきました。堀音のホールは音がよく響くため速すぎると音が十分に伝わらないこと、始まりは息を吹きかけるように語りかけること、アクセントはアタックではなくテヌートとして歌うこと、さりげなく支えるようにシンコペーションを弾くなど、表現に直結する多くのアドバイスをいただきました。
「音楽のいいところは言葉にできないことを伝えられるところ」という先生の言葉に、生徒たちは改めて音楽の本質を感じ取っていました。和声を頭の後ろで鳴らすように意識すること、オーケストラをイメージして音を広げること、フォルテを満ち満ちた音にすることなど、技術的な指導も一つひとつが演奏を大きく変えるきっかけとなりました。
質疑応答では「譜読みの際に大切にすること」「音楽を一緒に合わせるときの心構え」などについてお話がありました。萩原先生は「譜読みはゆっくり丁寧に進めること」「ピアノだけにとどまらず室内楽や他の楽器からも学ぶことの大切さ」を強調されました。また、演奏を合わせる際には「相手に単に合わせるのではなく、曲そのものにお互いが向き合うことが自然なアンサンブルにつながる」とお話しくださいました。
先生の指導しながら紡がれる音楽の素晴らしさに魅了されました。また、「もっとピアノを信頼して。返してくれるから。」という言葉がとても印象に残りました。生徒たちは、ピアノ演奏における具体的な技術だけでなく、音楽をどう捉え、どう人に届けるかという視点を学ぶ貴重な時間を過ごしました。この経験を日々の練習や今後の演奏活動にしっかり活かしてくれることを期待します