
「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
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10月17日(金)、今年度の団体鑑賞でした。南座で行われている市川團十郎特別公演の夜の部「Invitation to KABUKI 歌舞伎の世界」を全校生徒で見に行きました。
演目は、「二人藤娘」「ご挨拶」「菅原伝授手習鑑 車引」「荒事絵姿化粧鏡(はなのえすがたけわいかがみ)市川團十郎『暫』の拵えを舞台にて相勤め申し候」でした。
普段は西洋音楽を学ぶ生徒たちにとって、日本の伝統芸術の真髄にふれる本当に貴重な機会となりました。
最初の『藤娘』は、真っ暗な舞台に音だけが響き渡る中で始まり、照明が一気に灯る瞬間に現れる華やかな舞台に客席全体が息を呑みました。繊細な踊り、鮮やかな舞台装置、そしてお囃子の美しい響き。音楽を日々学ぶ生徒たちは、その「音の演出」にも心を動かされたのではないかと思います。また、「車引」の荒事の立ち回りの迫力や場面転換の鮮やかさなど、伝統美と舞台技術の高さに圧倒される時間となりました。歌舞伎役者の方はもちろんのこと、囃子方も含めて、その所作の美しさもとても印象に残りました。
演出は、歌舞伎通の観客にも初めて観る人にも楽しめる構成でした。休憩中には、幕を閉めずに舞台転換の様子がそのまま公開され、普段は見られない“裏方”の動きに生徒たちはとても興味をひかれていました。コンサートの舞台転換を日常的に行う生徒たちにとって、プロの動きから多くの学びを得ることができたのではないかと思います。
また、ロビーでは『暫(しばらく)』の衣裳と同じ重さの装具(約60kg)を背負う体験もあり、多くの生徒は立ち上がることができませんでした。挑戦した生徒たちは「これで演技をされるのか」と驚きの声をあげていました。
他にも大きな演出とサプライズがありましたが、それは後編で。
今回生徒たちは「自分たちの世界をどれだけ広げられるか」を感じ取っていたのではないかと思います。

