
「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
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11月12日(水)、現在来日中のロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のトランペット奏者のベルト・ランゲンカンプ氏とフルート奏者のエミリー・バイノン氏両名のマスタークラスのレッスンが、本校生徒を対象に行われました。
今回は、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団が京都で演奏会をされるのにあわせて、公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団(京都コンサートホール)の主催で、京都コンサートホール・ロームシアター京都サポーター・パートナー会員&Club会員及び京響友の会の特別イベントとしてマスタークラスを企画されました。
レッスンを受講した生徒は、トランペット専攻1名とフルート専攻2名で、3人とも3年生でした。それぞれ本当にいい時間をいただきました。
トランペットのレッスンでは、トランペットの楽器の変遷と作曲された時代との関係を背景として、作曲の意図を読み解き、楽譜のどの部分がトランペット的かコルネット的かを吹き分けることで、音楽がより面白くなる、それを繰り返し伝えてくださいました。
フルートのレッスンでは、体の動きが相手にどう見えているかを考え、表現したい音楽とを関連させることでより分かりやすく相手に伝わることや、満たされた低音とそれを土台にした高音、同じフレーズが繰り返されるときの表現の差、短い音や和声に入っていない音に対するみずみずしいビブラートへの意識と練習方法、変奏曲のメロディーの浮き立たせ方など、丁寧に分かりやすく身振りや実演で伝えてくださいました。
3人の生徒は、表現が豊かになっただけでなく、音そのものがとても生き生きして、全然違う音楽が紡ぎだされていました。それを引き出す先生方のすごさはもちろんですが、それにしっかり対応できる生徒たちも本当に素晴らしいと思います。
2人の先生共通していたのは、楽譜をどうとらえるかということの大切さと、表現する「物語」をしっかり意識することを伝えられていたと思います。「書いてないことをなぜするのか」「書いてあることをもっと効果的に」といったことや、何のために書かれた曲なのか、また作曲者の特徴から、どういった意味を見いだし、それを意識した「物語」をどのように組み立てるか、その重要性をずっと説いてられたのではないかと思います。
また、「あなたのチョイス」というのも共通していました。「私はこう思うけど」とご自身の考えは伝えつつ生徒が選ぶ余地を残す、それもレッスンを見ていてとても印象に残りました。
生徒たちは「最近楽器を吹くのがしんどかったけど、久しぶりに楽しかった。」「好きな曲だけどどう吹けばいいか悩んでいた。また頑張ろうと思った。」「マイナーな曲で音源もなく、それでもやらなきゃとナーバスになっていたけど、いろいろな考え方を引き出してもらって楽しかった。」といった感想を最後に述べていました。それぞれが大きな気づきがあったのだと思います。
ベルト・ランゲンカンプ氏とフルート奏者のエミリー・バイノン氏の両先生、また、雰囲気や感情も含めて伝えていただいたすばらしい通訳の方、そして、このような場を作ってくださった京都コンサートホールの担当の方に本当に感謝いたします。ありがとうございました。


