
「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
〒604-0052 京都市中京区油小路通御池押油小路町238-1[MAPを見る]
TEL. 075-253-1581 FAX. 075-213-3631
12月9日(火)、今年度最後のディクション講座が行われました。9月13日の第1回を皮切りに、10月、11月、12月にそれぞれ1回ずつ、合計4回実施しました。
ディクションとは、音楽において聴衆に言葉を届けるための「発音法」「発声法」を意味し、正確な発音の習得にとどまらず、作品の背景や詩の意味を理解し、それを音楽表現として立ち上げるための重要な要素です。
大阪音楽大学よりイタリア語のジュリオ・デ・パオリス先生と声楽の先生にお越しいただきレッスンをしていただきました。ジュリオ先生は4回すべてにご参加くださり、声楽の先生は毎回違う教授の方(9月:石橋栄実先生、10月:松田昌恵先生、11月:晴 雅彦先生、12月:田中勉先生)に来ていただきました。
1年から3年の声楽専攻の生徒たちが集まり、各回2年生か3年生の生徒数名ずつレッスンを受ける様子を。他の生徒たちが見学する形で実施されました。
レッスンはまず詩の朗読から始まり、ジュリオ先生から発音について指導していただきます。力のため方、イントネーションや二重子音の処理など、難しいと感じたり、うまくいかない部分は、多くの生徒に共通している印象がありましたが、何回も繰り返し指導していただくことで、意識できるように変化していったように思います。
その後、歌を聞いていただき、声楽の先生に指導していただきますが、これは先生によってアプローチや指導の仕方に個性があり、その違いがとても面白かったです。生徒たちは、ジュリオ先生に指摘いただき朗読ではうまくできるようになっても、歌になると難しいようで、苦労する様子も見うけられました。しかし、先生とのやり取りの中でうまく表現できるようになったときは、発声に加えてとても表現が豊かに、そして説得力が高まったように思います。ディクションを通して、音楽と言葉が不可分であることを体感的に理解できたのではないかと思います。
この講座は大学で行われている講座と同じ内容を本校で実施していただいており、それを受けられる生徒たちは本当に幸せだと思います。見学の生徒も含めて講座を通してつかみとったことをしっかりと自分の中に落とし込み、じっくり育てていってほしいと思います。

