「人とつながる音楽家」を目指して
音楽科
〒604-0052 京都市中京区油小路通御池押油小路町238-1[MAPを見る]
TEL. 075-253-1581 FAX. 075-213-3631
8月20日(月)
京都市立芸術大学の酒井健治先生をお招きし、作曲専攻の特設講座〈管弦楽法の伝統と創造について〉を実施しました。
●前半では管弦楽法の歴史や基礎的な知識を学んだ後、ブラームスの交響曲第2番第1楽章の管弦楽法の見地による分析を。その後6つの小品Op.118-2について、ブラームスのスタイルでの酒井先生ご自身によるオーケストレーション実践例を披露していただきました。
●後半では、基礎的な管弦楽法のテクニックがどのように酒井先生の作品に反映されているのか、性格の異なる2つの編曲作品を例にプレゼンテーションしていただきました。
酒井先生の魅力のほとばしる3時間は、伝統を重視した作家の、感性とこだわりとが高みに結晶して行く過程を辿るようで興味深く、とても充実した時間でした。作曲家が大切にすべき観点、特に酒井先生ご自身の工夫を語られる時の、生き生きと喜びにあふれた表情が印象的で、拝見した楽譜の中にもそれが表れていました。
いただいたアドヴァイスを3つだけ紹介します。
◆歴史を知り、作曲家がその時代の限られた技法の中で何をしたか、という視点で考えること。その苦労と、可能性に挑戦している作家の工夫を知るべき。
◆使い古されたもの、聴き慣れたものにも、違う音を素材として、新しいコンテクストを載せる。だが、新しいように見えて正統派、というところを目指す。
◆日々、表現したいことを日常的に考え続ける。音楽で思考する。それを実感し始めた時に個性・作風が出てくる。書きたいことがはっきりしていることが大事。
教員にもアドヴァイスをいただきました。一同、新鮮な気持ちで取り組んでいきます。
酒井先生、貴重な時間、熱心なご指導を本当にありがとうございました。