いっしょに歩もう、いっしょに学ぼう
普通科
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1年生のキャリアIでは、2月4日火曜日に午後の2時間を使って「子ども展」を開催しました。
3限目は子どもの権利に関する課題研究の成果をポスターセッション形式で発表し合うというもので、発表は1組からクラスごとに交替で行い、自分のクラスの発表のターンでは全員が発表者になり、各自が他クラスの生徒を前にテーマについての自分の考察を述べるという形式で行いました。
このような「子ども展」の発表のために、1月中旬には社会人セミナーとして弁護士の玉野まりこさんをお招きし、「人権」と「子どもの権利」についてご講演をいただきました。その後生徒たちは、子どもを取り巻く生きにくさや権利侵害という社会課題に目を向け、自分の興味関心や問題意識に応じてそれぞれのテーマを設定し、「子どもの権利条約」の条項と関連させながら、4回の授業を使ってレポート作成に取り組んできました。こうして本番の日を迎えた生徒たちは、一人一人が良き発表者であり、また良き聞き手でもありました。発表後の質疑応答の時間には、発表者に質問や感想を伝えたり、それを付箋に書いて渡したりしていました。
4限目は社会人セミナーとして京都市ユースサービス協会の松岡江里奈さんをお招きし、生徒たちの身近にある子どもの権利を守る仕組みについて、支援団体の視点からご講演をいただきました。京都市ユースサービス協会は、本校でも奏和タイム等でお世話になっているのですが、他にも青少年活動センターや子ども・若者総合相談窓口、若者サポートステーションなどを運営されており、それらをとおして子どもや若者の支援活動をされている団体です。今回はその活動についてご紹介いただきました。松岡さんはお話の最後に、生徒たちに伝えたいこととして、「知らないとつながれないこと」、「『助けて』の先があること」、「ちゃんと守ってくれる大人がいること」、「それは仕事でもボランティアでもできること」の4つの言葉を残してくださいました。
3学期のキャリアIで課題研究に取り組む中で、生徒たちは自分たちに数々の「権利」があることを学びました。しかし、社会に目を向けると、それらの子どもの権利が侵害される実態があることも学びました。そしてこの日の「子ども展」では、社会には子どもの権利を守ろうと活動する大人たちがいることも教わりました。この学びは、前回の社会人セミナーで玉野さんが教えてくださった「人権」の理念にも符合します。それは、人は一人残らず大切にされる権利を持っており、自分が大切にされるのと同様に、他者の権利も大切にされなくてはならないというものでした。「子ども展」に向けた取り組みが、生徒たちにとって、権利の主体としての意識をさらに高めるきっかけになることを望みます