美術を通して、これからの時代を生き抜く力を磨く!
美術工芸科
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新年おめでとうございます。
新型コロナウイルス感染が確認されてから早くも2年が過ぎ、3年目に突入することになりました。やや感染拡大も年末にはおさまっていたものの、新たなオミクロン株の感染が拡大しつつあります。そのような中で新年が明けました。今年こそは感染も拡大せず、終息へ向かい、コロナ禍前の教育活動ができることを祈るばかりです。
2021年度の始まりは、一昨年度と同様、感染予防対策を徹底しながらの入学式、始業式で幕が開けました。翌日からは、時差登校や短縮授業、放課後の教育活動を制限するなど、前期中思い通りにならない取り組みが多々ありました。その中でも特に体育祭行事については一度は順延としたものの、最終的に中止決定に至ったことは大きな決断であり、断腸の思いでした。生徒の皆さんにはその厳しい現実を受け入れていただいものの、申し訳ない気持ちで一杯です。一方で、文化祭や美工作品展が無事開催できたことは、本当に嬉しい限りでした。文化祭クラス劇発表での活躍には、胸が熱くなりました。美工作品展では、自分と真摯に向き合いながら制作を続けた成果としての姿勢と作品に、心を揺さぶられました。その他行事や教育活動が行えたのも、生徒の皆さんをはじめ保護者の方、教職員など学校に関係する皆様のご協力があってのことだと感謝しております。
後期からは感染拡大も改善し、教育活動の制限も緩和されたものの、コロナ禍以前の教育活動に戻ることができたわけではなく、マスク着用や昼食時の黙食、グループワークやペアワークなど長時間にわたる会話の時間制限などは引き続き対策が必要です。今後の講演会なども、全員が一堂に会して実施することはまだまだ難しく、オンラインでの開催を余儀なくされるなど、いつまで続くかわからない状況です。社会情勢が刻々と変化し続ける今、アフターコロナを見据えるだけではなく、予測不能な時代を生き抜くために、皆さんと教職員が一緒になって知恵と力を出し合い、できることを自ら考え見つけて、とにかく一つ一つやっていくこと、そしてこの難局を乗り越えていきたいと考えています。そして、将来必要となる力を着実に身に付けてほしいと願っています。
井深大(いぶかまさる)氏が語ったこんな言葉があります。
「人生で出会う出来事は、すべて何かを教えてくれる。
生きている限り、学ぶべきことがある。」
この彼の言葉を皆さんはどう受け止めますか。ものづくりを通して生きてきた彼の人生そのものが表されている言葉だと思います。私には、「今のこの危機をチャンスに変えてみては」と言われているようなで、勇気づけられます。
井深氏は、皆さんがよく知っているソニーの創始者の一人。1946年に盛田昭夫氏とともに東京通信工業株式会社(後のソニー)を設立した方です。独自の製品開発に徹し電子技術者として、同社を世界企業に育て上げ、日本初のテープレコーダーや日本初のトランジスタラジオを開発しました。
生徒の皆さんも、ぜひイマジネーションとクリエーションを持って、新しい未来に目を向け、一緒になって切り拓いていきましょう。
年が改まって生徒の皆さんは「今年はこうありたい、こんなことをしたい。」と願いや希望を立てていることと思います。前期終業式の時、私から生徒の皆さんに「各自がたてた目標は達成できましたか?または、順調に進んでいますか?一度振り返ってみてください。」というメッセージを送りました。後期も残り少なくなってきました。ぜひ目標を改めて振り返って残りの時間を有効に使ってください。
「学校は希望を創るところ」。本校も今年で創立142年目を迎えることになり、いよいよ来年2023年には移転することになります。これからも美工の良き伝統は残しつつ、生徒たちにとって最善の教育とは何かということを常に考え、文化都市京都に相応しい美術の専門高校として改革し続けます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2022年(令和4年)1月4日
校長 名和野 新吾