美術を通して、これからの時代を生き抜く力を磨く!
美術工芸科
〒604-0902 京都市中京区土手町通竹屋町下る鉾田町542[MAPを見る]
TEL. 075-211-4984 FAX. 075-211-8994
今夏、祇園花見小路のまちづくり協議会の皆様の活動として、外国人観光客へのマナー啓発をされる際、団扇が配られました。
この団扇のイラストは、今春、本校デザイン専攻を卒業した里井綾希子さん制作のものを採用していただきました。表の絵柄は、夏らしい金魚にしました。裏には3か国語でマナーについて呼びかけが書いてあります。
里井さんは、昨年の美工作品展の卒業制作で、「京のまなー」という作品を制作展示しました。きっかけは、祇園の花見小路における外国人観光客のマナーの問題を取り上げたニュースを目にしたからです。そのニュースは、花見小路での禁止事項を表記した立て看板について、地元の方々が、目立たせたい注意喚起と、景観の保持との間でジレンマを抱えておられるというような内容でした。そこで、外国人観光客の目をひく絵を、景観の邪魔にならない、携帯性のあるうちわに付加しようと考えました。
その後、昨年の12月に行われた「市立高校生と市会議員との意見交換会」に本校から6名が参加しましたが、里井さんもその一人として、テーマであった観光政策について、自分自身の卒業制作のことに触れながらマナーを啓発する団扇の紹介をしました。
そのことをきっかけに、関心をもっていただいた祇園花見小路のまちづくり協議会の方々と懇談をする機会をつくっていただき、今回のイラスト制作、そして団扇の配布に至りました。
自ら課題を設定し、その解決を目指して専攻の卒業制作に取り組み、さらに社会とつながる機会を得て、自らの力を発揮する場をいただきました。美術専門高校として、美術の学びと社会とのつながり、課題解決に向けた研究と表現活動をこのようにできたことは、たいへんありがたいことであり、今後もこのような学びの深まりと広がりを重ねていけたらと考えています。