美術を通して、これからの時代を生き抜く力を磨く!
美術工芸科
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終業式の日に
一日
平成29年度(2017年度)の終業式の日を迎えました。1年間使ってきたホームルーム教室、専攻実習室も基本的には今日が最後。4月からは新しい部屋へ移ります。次の人に美しい状態で譲れるようにしましょう。
ここにカウントダウンのカレンダーをもってきました。これは以前、私が3年生の担任をしていたとき、クラスの生徒が、3年生の12月になって高校生活も残り少なくなってきた頃、この高校での残された一日一日を大事に過ごしたいと言って、生徒たちが作ったものです。クラス全員と私とでひとり一枚、一日分ずつ日付と残り何日かを書いて、卒業の日まで、一日の重みを感じ高校生活を大事に送りながら、一日一枚めくっていくということをしました。そんなことをやりだしてから、クラスの生徒の表情や過ごし方が、私から観て、少し変わったように思いました。私が一日を大切に過ごしなさい、充実した時間の使い方をしなさいと“指導”するよりも遙かに重みがあったように思います。
今年度を振り返って、あの日、あの一日と思い出される日はありますか、特定の日を思い出さなくても、中身が詰まった一日がたくさんありましたか。朝起きて、いろいろ用意をして、学校へ登校することにずいぶんエネルギーを使った人もいるでしょう。様々なことを考えながら、しんどいことと向き合い、不安定感とつきあいながら一日一日を過ごした人もいるでしょう。しかし今年度は今日が最後。よく今日まで頑張りましたね。落ち込んだり、悩んだり、もがいたりしたことを後悔する必要はありません。そのことの先に今の自分があるのですから。
私が心配しているのは、むしろ、朝起きるところから夜眠るまでただただその日任せに過ごしてしまった人はいなかったかということです。時間の刻みをあまり意識せず、何をしたか、何をしなかったか、あるいは何をしたかったのか、何ができて何ができなかったのか、そのようなことを自分で振り替えることができない、把握できでいないとしたら、それはたいへん残念なことです。この春休みそのようなことをもう一度自分で確かめて、新年度を迎えてほしいと思います。
特別な日に近づいてから、カウントダウンをして時間を大事に過ごすことも大切ですが、それ以上に、この先の自分の姿を想像しながら、1ヶ月後は、半年後は、そして1年後は、と月ごとのカレンダーや、1年分1枚のカレンダーの中に自分を置いてみて、こうありたい、こうなりたいと自分なりのイメージをもって、新年度4月から過ごしてほしいと願っています。
2018年3月20日
校長 吉田 功