美術を通して、これからの時代を生き抜く力を磨く!
美術工芸科
〒604-0902 京都市中京区土手町通竹屋町下る鉾田町542[MAPを見る]
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新年度を迎えて
桜花爛漫の季節。
鴨川河畔の桜が咲き誇り、明るい水音の聞こえる中で、平成30年度が始まりました。
春休み中に、遠方から本校にご高齢の女性がお越しになりました。80歳を越えているとおっしゃいました。この場所にあった銅駝尋常小学校をご卒業になられたそうで、懐かしい思いで訪ねて来られました。玄関から廊下を通ってグラウンドへご案内し、校舎や、東山、東正面の大文字を観ていただきました。記念棟のあたりは昔講堂があったこと、昭和初期の建築物である本館は昔の佇まいを残していること、そして藤棚はその当時からこの場所にあったことなどお話していただきました。そして鞄の中から大切に持って来られた一枚の写真を出され私に見せてくださいました。その写真は藤棚の前で撮影された入学の折の記念写真で、校長・担任・保護者とともにかわいい子どもたちが並んでいました。せっかく遠方より母校を訪ねてきていただいたので、昔と同じ藤棚の前で写真をお撮りしました。
地域の人々の力で設立された銅駝尋常小学校は、のち銅駝国民学校となり、戦後、銅駝中学校に変わりました。銅駝中学校が柳池中学校(現京都御池中学校)に統合された後、その跡地に1980年(昭和55年)、日吉ケ丘高等学校美術課程が移転、美術専門高校として単独開校しました。小学校以来この立派な本館は大切に使われ、グラウンドから見える東山も鴨川のせせらぎもそのままの環境が保持されてきました。そして私たちの先輩は、この校地、校舎への地域の方々、卒業生、教職員の思いを受け継いで、教育を積み重ねてこられました。
今年度は、本校が1880年(明治13年)京都府画学校として京都御苑内に創立して以来139年目、現校地において銅駝美術工芸高校としてスタートしてから39年目を迎えます。昨年3月に京都市が「京都市立芸術大学移転整備計画」を発表し、5年後の2023年、大学の京都駅東部への全面移転と同時に、同地域の鴨川縁に本校も移転することとなりました。5年後以降のビジョンを立てながら、本校の歴史と伝統の重み、この校地ならではの環境とつながりを大切にし、豊かな美術専門教育を進めてまいります。そして深い専門力と幅広い教養を基盤にする普遍的な学力を身につけた、これからの時代にたくましく生きていく青年の育成に努めてまいります。本校が美術専門高校であること、本校のような美術専門高校があることの意義を今一度深く捉え、平成30年度の教育活動を始めます。
今年度も本校教育に、ご理解とご支援をいただきますようお願い申し上げます。
平成30年4月1日
京都市立銅駝美術工芸高等学校
校長 吉田 功