美術を通して、これからの時代を生き抜く力を磨く!
美術工芸科
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3年総合的な学習の時間「表現探求P」で、校長が授業を行いました。
3年生の総合的な学習の時間では、芸術に携わる者として、必要な広い視野をもちながら課題探究を行い、自己の在り方生き方を考えることを目標としています。
この授業では外部講師を招いてその専門分野に関わる講義を聴きながら探究を深めることを行っていますが、本日は、校長が担当しました。
テーマは「無言のメッセージ」。
校長は、2005年に京都の文化博物館で開催された、戦没画学生慰霊美術館「無言館」作品展で、若くして作家の夢を断たれた戦没画学生の作品に出あいました。ぜひ長野県上田市にある無言館を訪問しもっとたくさんの作品を見たいと思いました。そのことが実現しないまま10年が過ぎ、4年前に銅駝美術工芸高校に着任。校長室にあった『戦没画学生人名録』を見つけました。読み進めると「京都市立美術工芸学校卒(現銅駝美術工芸高等学校)」と記された戦没画学生の名前が何人も掲載されていました。銅駝の前身の美術学校を卒業し、将来美術でもっともっと活動することを夢見ていたけれど戦争で亡くなった青年がいたことを知ることになりました。そしてその夏、背中を押されるように無言館を訪問。たくさんの作品と出あい様々なことを感じました。そして本校の収蔵庫に、3名の戦没画学生の作品が保管されていることも知りました。みんなの先輩にそのような人がいたことを、ぜひ今の生徒の伝えたい。今回の授業はそのような経過で構成されたものです。
今日は、スライドで作品を紹介しながら戦前の歴史の事にも触れて授業を行いました。授業の後半では、本校で収蔵されている本校卒業の戦没画学生の漆芸の作品3点を教室に運び、本校漆芸専攻の教員から専門的な解説をしました。
本校で美術を学ぶ生徒は、この授業を通して、自分たちの学校のこと、先輩の卒業生のこと、歴史のこと、戦争のこと、芸術のこと、これからの社会のこと、自分の生き方のことなどを考える時間となりました。