一歩踏み出すGlobal Citizen
普通科・アカデミア科
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24日(火)~26日(木)も引き続きGC特別講座が3講座実施されました。
講座(3) 持続可能な社会を実現する企業の取組
(株式会社SISON’S代表取締役 岡田康介さん)
3度目のご講演となる岡田さん。この1世紀以上の間、無尽蔵に資源が産出されることと右肩上がりに成長が続くことを前提とした資本主義社会の地球との関わり方は「大人」が犯した間違いであり、次世代の若者や子供には何の責任もない、そんな若者に、過ちに気付いて何とか挽回しようとする大人たちの動きを知ってほしいという熱い思いから、今年もさまざまな企業の取組をご紹介くださいました。
生産者や加工者が搾取されず正当に報われること、動植物や自然が適切に尊重されることを重視したブランドやメーカーの取組、おかしいことを何とかしようと声を上げれば必ず耳を傾けて助けてくれる人が現れるという励ましなど、岡田さんの本気が伝わるお話に、生徒たちは真剣に耳を傾けていました。議論(argument)の重要性やコツについての助言もあり、大いに勇気づけられていました。
講座(4) 『源氏物語』恋愛講座
(京都先端科学大学教授 山本淳子先生)
山本先生は今年大河ドラマ『光る君へ』各回の補足的コラムの連載も毎週しておられたとのことで、たいへんお忙しい中ご講演いただきました。質問に「YES/NO」で答えていくと自分が『源氏物語』に登場するどの女性と同じタイプかがわかる「あなたはどの女君?」チャートの紹介というユニークな導入から、物語の主人公である光源氏がどんな女性たちとどのように関わっていったのかをたいへんわかりやすく、かつドラマチックにお話しいただきました。
「恋と愛の違いは何だと思う?」というドキッとするような質問を投げかけていただいたところから、光源氏が人生において経験した「恋」と「愛」それぞれの趣や辛さの考察、作者である紫式部自身の経験との重なりについてのお話など、改めて『源氏物語』をきちんと読んでみたいと思わせてくださるような内容でした。
講座(5) だから、社会学をやろう~「推し活」からセカイが見える~
(四国学院大学助教 板倉享平先生)
前半では、社会学とは何かについて、「『最近の若者は恋愛をしないらしい』と言われますが……」「『働いてる』ってどういう意味?」などの具体的な例を交えながらわかりやすくご紹介いただきました。文系の学問ですがかなり数学を使うんですよ、というような鋭いお話もありました。
後半は日本のアニメがどのように海外で受容されてきたのかを1970年代まで遡ってご説明いただくという新鮮な知的刺激のあるお話から、最後は「文化」の役割とは何なのかを考えるというところに行きつき、何気なく使っている概念も本当はよく知らないという気づきがありました。今後ますます複雑になっていくと思われる「社会」を理解しようとするうえで、社会学という学問の必要性はさらに高まっていくのではないか、というお話にも納得でした。
各講座でお世話になった講師の先生方、本校の生徒に貴重なお話をありがとうございました!
写真上:岡田さん(株式会社SISON’S 代表取締役)
写真中:山本先生(京都先端科学大学教授)
写真下:板倉先生(四国学院大学助教)