一歩踏み出すGlobal Citizen
普通科・アカデミア科
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6月13日(水)、前期中間テスト最終日の4時間目の時間に1年生を対象とする人権学習講演会を開催しました。「性別って2つだけ?~多様な性のあり方~」という演題のもと、LGBTQを含む多様な性の在り方についての理解を深めるとともに、誰かのカミングアウトを受けた時や、その人が性を理由に誰かに攻撃されている状況を見かけた時にどのような行動スタンスを取ったら良いのかなどについての理解を深めました。
私たちは、無意識のうちに人を見た目で判断してしまうことがあります。あの人は筋骨隆々だから男性だとか、あの人はピンク色でフリル付きのかわいらしい服装をしているから女性だとか…。しかし、性には「身体の性」「心の性」「好き(性的思考)の性」「表現する性」といったように多様な形があります。この多様な性(=多様性)を前提として理解を深めつつ、安心して話したり相談できる環境を用意することが私たち一人一人に求められていると多くの生徒が学んでくれたように思います。
また、性を理由に誰かから攻撃を受けている状況を見かけた時の行動スタンスとしては、話題転換をする、信頼できる誰かにその状況を報告する、自らその人の側に向かい寄り添う、攻撃を制止する、というスイッチャー、レポーター、シェルター、ストッパーの役割を引き受けることが重要であると学びました。
講演会は、1-4寺元さんの司会のもとに進行し、1-2河野さんがお礼の言葉を述べました。生徒主体の会となることで、聞き手の生徒たちもより自分ごととして聞くことができたと思います。
さて、紫野高校では「一歩踏み出すGlobal Citizen」という学校目標を掲げています。これを具体的に示した定義が「自他ともに自由で幸福な生活を送ることができる、共生可能な社会の実現に向けての一歩を踏み出す」というものです。これは、今回の講演内容ととても高い親和性をもつのではないでしょうか。人は、誰もが好きなように生きられる「権利」を持ち、その権利を行使した結果として特定の「状況」が生まれ、その時に生じる「感度」が心地よいものであったとき、自由や幸福を感じられるのだと思います。しかし、この「感度」は人によって異なるがゆえに時に衝突します。その時、自分の要求を過不足なく押し通そうとする限り、誰もが自由で幸福な世界、すなわち世界平和は実現できません。自他ともに尊重し、対等な立場として認め合いつつ、互いの自由や幸福がともに納得できる形で落ち着くような「共有点」を「対話」を通じて見つけ出すことが重要であると、1年生は総合的な探究の時間であるGC1の授業で学んできました。まさに今、この理念を基に一歩を踏み出す時です。
自他ともに自由と幸福を享受できる世界の実現に向けて、全ての性の形への理解を深め、認め合いつつ、互いの自由や幸福を尊重する姿勢を示すという一歩を、ぜひ踏み出していってほしいと思っています。