一歩踏み出すGlobal Citizen
普通科・アカデミア科
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平成30年度を迎えるにあたり、校長としてのご挨拶を申し上げます。
平素は、紫野高校の教育に、ご理解とご協力をたまわり、まことにありがとうございます。本来ならばもう少し早い時期にご挨拶をアップしなければならないところ、インフルエンザに罹患し、昨日、入学式の日にようやく復帰がかないましたため、このようなタイミングになってしまいました。失礼いたしました。
昨日は新たに321名の新入生を迎え、厳粛に入学式を挙行いたしました。希望に満ちて入学を迎えた皆さんには、素晴らしい“むら高生活”を3年間送ってもらいたいと切に望んでいます。
また、本日は快晴のもと、始業式をグラウンドでおこないました。新しい1年がスタートしました。3年生は最後の1年を悔いなく、2年生は高校生の先輩としてしっかり、高校生活を送ってほしいと伝えました。
北区紫野の地にある高校として地域の方々に愛され、また京都市立の学校としての誇りを持って、伝統ある“むら高”を継承・発展させていきますので、今後ともご支援のほど、よろしくお願いいたします。
以下に、昨日の入学式の式辞で私が新入生の皆さんに語ったことを要約して掲載します。少し長くなりますが、ご一読いただければ幸いです。
皆さん、いよいよ高校生活が始まります。不安もあると思います。しかし、ここに集う全生徒は紫野高校を志望校として選んできた生徒です。ここで生活したいという気持ちは一緒です。素晴らしい高校生活、むらこう生活をクリエイトすることはみんなの共通目標なのです。ぜひとも、積極的に人間関係を築き、同時にさまざまなタイプの人をよき高校生活を過ごす友として素朴に受け入れて、共に充実した高校生活を送ってほしいと思います。
紫野高校は「21世紀を自分で歩く国際人の育成」という教育目標があります。自分で歩くとは、自分で考え責任を持って行動をするということです。国際人とはいろんな考えや背景を持つ人の中で窮屈を感じずに自分の考えを堂々と語り、また人の考えに耳を傾けられる人です。紫野高校に入学した皆さんは、「21世紀を自分で歩く国際人になる」ために、3年間の学校生活で、さまざまな活動を行います。
その活動の根っこには、紫野高校の伝統の校是があります。それは、「自由と規律」「知性と創造」「参加と協力」の3つです。
よく紫野高校は自由だといわれます。しかし校是は「自由」だけではなく「自由と規律」です。好き勝手、自分勝手な自由ではなく、高校生という社会の中で一定の規律をしっかり意識し、その上で自分たちの考えや発想を持ち、表現することができる自由なのです。
本校の卒業生である、アサヒグループホールディングス会長兼CEOの泉谷直木氏は、昨年8月の読売新聞の記事で紫野高校での生活について次のように触れておられます。
「自由と規律の紫野で、自分で自分を律すること、教え込まれるのではなく自分で考えること、そして誰かの後ろにくっついたり、大衆迎合したりしないという気概を身につけた。」
皆さんも、この大先輩のように、そしてこれまでに卒業していかれた多くの先輩方のように、むら高生としてしっかりと「自由と規律」の精神を身につけてほしいと思います。
2つ目の校是は「知性と創造」です。
高校は当たり前のことですが、学びの場です。授業などを通して幅広い知識と教養を得てください。好き嫌いせずに学んで知識を得、人類の長い歴史の中で培われてきた教養を身につけ、今をしっかり見つめ、見極める力を身につけてください。
そうすると、目の前の物事や社会などに疑問や課題を感じることができるようになると思います。そこでその解決ために、真剣に考え、斬新に発想し、論理的に表現して周りに伝え、巻き込み、新しい波を作り出していく。そうやって、自分の将来と世界の未来を創造するのです。
好き嫌いせずに幅広く学んで「知性」を育ててください。それが3年後さらには将来の皆さんの進路を広げ、素晴らしい将来、未来をクリエイトします。
3つ目の校是は「参加と協力」です。
紫野高校には多くの生徒会行事があります。文化祭や体育祭などは生徒会行事です。生徒会は皆さん全員が構成員です。紫野高校生徒会という社会の構成員として、人任せではなく自分ごととして主体的、積極的に、参加し、活動してください。
また、多くの部活動もあります。大学での行事や地域の行事等、課外活動の呼びかけもたくさんあります。是非、積極的に参加してください。
そして、参加するだけではなく、さまざまな立場や考えの人と話し合い、協力して活動してください。その中で互いに認め合い、力を合わせて何かを成し遂げる経験をしてください。
紫野高校という社会で体験をすることが、3年後に卒業していく皆さんの実社会での活動の基礎として活きてくると信じています。
今お話した3つの校是「自由と規律」「知性と創造」「参加と協力」を忘れずに、目標である「21世紀を自分で歩く国際人になる」ために、精一杯チャレンジする高校生活にしてください。
失敗を恐れていては、さまざまな体験にチャレンジする勇気が出ません。失敗は成功の元ともいいます。失敗を成功の元として成長すればよいのです。ポジティブにいきましょう。恐れることはありません。
ウォルトディズニーが「成功する秘訣を教えてほしい、どうすれば夢を実現することができますか」と聞かれると、「自分でやってみることだ」と答えていたそうです。また、「一度も失敗をしたことのない人は、何も新しいことに挑戦したことがない人である」というアインシュタイン博士の言葉もあります。
今回の新生活のスタートをひとつのきっかけとして、将来に向けてさまざまなことに積極的にチャレンジしてほしいと思います。
最後になりましたが、私の好きな言葉です。
Boys and girls, be ambitious!
少年、少女たちよ、大志を抱け。夢を持て。
紫野高校は皆さんの夢の発見と実現に向けて、全力で応援します。
素晴らしい3年間をともに歩みましょう。